自分史作成講座

自分史に名文は必要ない

自分史の本文を書くときに気になるのは、どのような文章を書けばよいのかという点でしょう。
ありがちなのは、「名文を書こう!」と張り切るあまり、「こんな文章ではだめだ」となかなか筆が進まなくなってしまう状況です。
ことに若いときに文学作品を読みあさった経験のある人は、そうなる傾向にあるようです。
しかし、何度も繰り返してきたように、自分史は小説ではありません。
また、小説家のような「文章のプロ」と同じレベルで文章を書こうとするのは無理があります。
そもそも、文章にとって最も大事なのは「美文」や「名文」であることよりも、伝えたいことが正確に伝わっているかどうかということです。
レトリック(文章表現の技巧)が華麗で一見人目を引くような文章であっても、内容が空疎で何を言いたいのかさっぱりわからない文章では困ります。
いたずらに技巧を凝らすことよりも、わかりやすい誠実な文章を書くことを意識すべきです。